ヒノキのフルコース
再利用されたワリバシ

 日本には昔から木の文化があります。木の家に住み、木の箸とお椀で食事をし、また木を燃やして暖をとったりお湯を沸かしたりしてきました。しかし、文明の発達とともに生活様式が変わり、エネルギーは石油に依存し、生活用品は取り扱いやすく安価なプラスチックに、住宅は鉄筋コンクリートへと変わってきました。その変化の中で木は片隅に追いやられて、いつしか「木」=「自然」というイメージだけが強くなり、「木を切ること」=「自然破壊」となってしまったのです。
 ここでもう一度よく考えてください。なぜ我々日本人は木の家に住んできたのか。木とともに生活してきたのか。なぜ今でも神社仏閣は木で造られるのか。
 日本で育った木というのは、日本の建物には最適な建材です。100年かけて育てられた木は、建材となっても100年もつといわれています。地震や高温多湿といった日本独特な環境の中で育った建材だからです。さらに木は我々に安らぎを与えてくれます。木は建材となっても私達の生活と共に生き続けているのです。どれだけ技術が進歩しても鉄筋コンクリートの建物で100年もつ建物はありません。古来から神社は樹齢何百年という日本で育った樹で建てることで、長い年月そのたたずまいを保ち、格式と伝統を守り続けているのです。
 「木を活かす」ということは、良材を使うだけでなく、その端材や間引かれた樹々までも家具やインテリア、壁板等に、さらには箸や小物にいたるまで、限りなく有効に使うことです。もちろん建てかえられた家から出る古材も、再使用あるいはエネルギー源として利用します。
 木とは日本古来のリサイクル材料です。世代を超えて大切に育てられた木だからこそ無駄なく、活かして使わなくてはならないのです。

ワリバシができるまで

ワリバシ工場(三重県飯南郡飯高町)
ワリバシ工場(三重県飯南郡飯高町)

使われるのは柱や板を四角く取り終えた後の端材
使われるのは柱や板を四角く取り終えた後の端材

きれいにして、形を整えて・・・
きれいにして、形を整えて・・・

機械でひとつひとつ丁寧に削っていく
機械でひとつひとつ丁寧に削っていく

よく陰干しして完成
よく陰干しして完成


横濱金平氏横濱氏より一言
 ここで、この材料がまた新しい命をふきこまれるんだね。ここで作られたハシを使うということは、森林破壊ではありません。確かにいい木を材料として使っているけれども、柱とか梁とかの構造材をとって、残った部分をここでお箸にしてもらっているわけだから、活かした使い方をしているの。
 だからぼくの家づくりって言うのは、一本の木を大事に大事に使って、言ってみたら材料のフルコースなんだね。
 最近はワリバシがすっかり悪者になっちゃったから、需要が減って、端材はいっしょくたにされてパルプチップになるのも多いよ。ワリバシがなくなったら、山の中のおばちゃんたちに現金収入の道がなくなって困ってしまう。木だって、80年も100年も立派な樹として生きてきて、パルプチップで終わるために生まれてきたのかと。最後は家族みんなでおいしく食べて欲しいよね。

 

ワリバシも環境破壊の原因と言われて久しいですが、もともとは日本に伝わる、木の命を無駄にしないためのリサイクルなのですね。

しかし、どうしたら私達の手許に来る材木が、ちゃんとした森から来た安全なものか、それとも環境破壊によってもたらされたものか、区別がつくのでしょうか。
→FSC認証制度


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